痛み:PCでは最高なのに、スマホだと使えない
休日、娘と遊んでいるときにふと「これはメモしておきたい」と思い、Notionを開きました。読み込みが終わらない。階層をたどっているうちに、娘が「パパまだ?」と声をかけてくる。ほんの数秒のはずが、妙に長く感じる。待たせてしまった。結局メモは諦めて、スマホをしまいました。
PCのNotionは優れたツールです。タブで瞬時にコンテキストを切り替え、ショートカットでデータベース間を行き来し、プロパティも手早く更新できる。「すべてが手の内にある」という感覚がある。しかしスマホを取り出した途端、その快適さは消えてしまいます。タブもショートカットもない。あるのは深い階層と、果てしないタップだけです。
「PCなら一瞬なのに」——この小さなギャップが、モバイルでNotionを開く意欲を少しずつ削いでいく。気づけば、開くこと自体が億劫になっている。この痛みが、dumpppの原点です。
哲学:Dump Per Pulse
「dumppp」は「Dump Per Pulse」の略です。脈を打つたびに、頭の中身を第二の脳へ放り込む。メモはそれくらい無意識であるべきだ、という設計思想を込めています。
ただ、既存のNotion連携ツールの多くは「投稿する」ことだけに特化していて、その前後が抜け落ちています。本当に速くメモを残すには、投げ込むだけでは足りません。
- 今なにを投稿したのか確認できること
- どの文脈に属する情報なのか把握できること
- 次になにをすべきか判断できること
この3つが途切れなくつながって、はじめてスマホでも「思いつく→書く→片づける」の流れが止まらなくなります。dumpppはそのために、3つの仕組みを用意しました。
- タブで瞬時に切り替え:一度設定すれば、仕事とプライベートをワンタップで行き来できます。PCでやっていたことを、親指ひとつで。
- タブに応じた自動設定:投稿先のタブが決まれば、送り先もタグも自動でセット。複雑なプロパティ設定をタブの裏側に隠すことで、操作をほぼゼロタップに抑えています。
- スワイプで「済み」にする気持ちよさ:タスク完了はチェックボックスではなく、指で横に払うスワイプ。小さな達成感が、次の一歩を後押しします。
dumpppはNotionのライバルではありません。Notionを最強のデータベースとして活かすための、最速のモバイルアプリです。Notionの操作速度を、モバイルでも妥協しない。そのために作りました。
約束:待たせない、忘れさせない
dumpppを作り始めたのは、個人的で切実な理由からです。仕事も家族の時間も大切にしたい。でも、どちらかに集中しているときに限って、もう片方で大事なことを思いつく。そしてそれを書き留める頃には、もう忘れかけている。この繰り返しをなくしたくて、自分の時間を全部使って一人で作りました。
だから「待たせない」ことには徹底的にこだわりました。書いた内容は画面に即座に反映され、通信は裏側で静かに処理されます。地下鉄でも飛行機の中でも、電波を気にせず使えます。思いついた瞬間に書けて、書いた瞬間に安心できる。それがこのアプリの最低条件です。
メモが速くなると、仕事のアイデアだけじゃなく、生活の中の小さなことも取りこぼさなくなりました。買い物の頼まれごと、週末の予定、ふとした会話の約束。結果として、「妻との約束を忘れることが減った。」自分にとっては、どんな数値よりも意味のある成果です。dumpppが目指しているのは、そういう変化です。
道半ば
正直に言うと、dumpppはまだ完成していません。仕事と家族の時間の合間を縫いながら、一人で作り続けているアプリです。バグが残っているかもしれない。足りない機能もあるかもしれない。それでも、使ってくれる人の手を止めないことだけは、何より大事にしています。
一人で作っているからこそ、使ってくれる人の声が開発の方向を決めます。ロードマップを公開しています。Discordも開いています。「ここが使いにくい」「こんな機能がほしい」——率直に聞かせてください。みなさんの不満や要望が、そのまま次のアップデートになります。
便利なツールとして使ってもらえるだけで十分ありがたいことですが、一緒に育ててくれる人がいたら、なおうれしいです。